【プロマネ】「期待を超える成果」はNG?
一般的には「期待を超える」は歓迎される
ビジネスにおいてよく言われるのが、「相手の期待に応える」だけではダメで、いかに相手の「期待値を超える」かが重要である、というものです。
たしかに、お客様対応においても、相手が期待している以上の対応をすればCS(顧客満足度)は向上するでしょう。
よくテレビなどで企業のサービスについて特集される際も、「そこまでやるのか!」といった、手厚いサービスなどについて取り上げられる場合が多い気がします。
あるいは会社内においても、上司からの指示に対して+αの付加価値を生み出せる部下は、やはり評価されますよね。
(期日より早く成果物を提出する、言われたこと以上のクオリティを生む、など)
プロジェクトマネジメントにおける「期待を超える」はNG
一方で、プロジェクトマネジメントにおいては、この「期待を超える」=必要以上の機能や性能を提供する、という行為は「金メッキ(Gold Plating)」と言われており、禁則事項とされています。
一般的に「期待を超える」が美徳とされている、特にCtoCに慣れた人などからすると、「なんでダメなの?」となりそうですが。
プロジェクトにおける大原則として、QCD(品質、コスト、納期)の目標達成が挙げられます。
この三点は基本的にトレードオフの関係にあるため、品質を上げようとするとコストがかさみ、納期厳守でテストやレビューをおろそかにすると品質低下を招きます。
なので、プロジェクトマネジメントではこのQCDのバランスマネジメントをしつつ、要件定義で顧客と合意したQCDを達成することが至上命題となるわけです。
従って、PMBOK的なプロジェクトマネジメントに従う限り、「(顧客の)期待を超える」はあり得ない、ということになります。
(なぜならば、「当初の期待を超える内容」はスコープの変更としてスコープ・マネジメントが行われ、QCDの調整が行われ、受入となるとそれは"期待する内容"に包含されるため。)
プロジェクトマネジメントにおいては、目指すべきは「期待を超える」のではなく、
- しっかりとした品質計画をつくる
- 決められた指標をクリアするため、工夫・効率化する
- 事前に定めた品質を達成する
これらを通じて品質マネジメントを行うことが重要である、と言えます。